|RoHS 指令（2011/65/EU、2015/863/EU）
EU圏内で上市する電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する指令です。
RoHS 指令（2002/95/EC）は、2006年7月から施行され、現在は、2011年7月1日に2011/65/EUに改定されました。 その中で規制追加化学物質と検討されていた特定フタル酸エステルの4物質が規制対象に追加されました。（2015/863/EU）
●適用範囲：EU圏内で上市する電気・電子機器を搭載する製品
【使用用途により適用除外があります】
●追加規制化学物質：
| 化学物質 | 正式名 | CAS番号 |
|---|---|---|
| DEHP | フタル酸ビス(2-エチルヘキシル） | 117-81-7 |
| DBP | フタル酸ジ－n－ブチル | 84-74-2 |
| BBP | nフタル酸－ブチルベンジルフタレート | 85-68-7 |
| DIBP | ジイソブチル＝フタラート(フタル酸ジイソブチル) | 84-69-5 |
●規制時期：RoHS 指令では、電気・電子機器を搭載する製品を11のカテゴリーに分類します。
カテゴリー毎に適用開始日が定められています
| カテゴリー（付属書Ⅰ） | 適用開始 | 追加４物質規制 開始時期 |
適用除外期限 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 大型家庭用電気製品 | 2006/7/1 | 2019/7/22 | 2016/7/21 （用途により除外延長について審議中） |
|
| 2 | 小型家庭用電気製品 | ||||
| 3 | IT機器及び遠隔通信機器 | ||||
| 4 | 民生用機器 | ||||
| 5 | 照明機器 | ||||
| 6 | 電動工具 | ||||
| 7 | 玩具、レジャー、スポーツ機器 | ||||
| 8 | 医療用機器 | 医療用機器 | 2014/7/22 | 2021/7/22 | 2021/7/21 |
| 体外診断用医療機器 | 2016/7/22 | 2023/7/21 | |||
| 9 | 監視・制御機器 | 監視及び制御機器 | 2014/7/22 | 2021/7/22 | 2021/7/21 |
| 工業用監視・制御装置 | 2017/7/22 | 2024/7/21 | |||
| 10 | 自動販売機 | 2006/7/1 | 2019/7/22 | 2016/7/21（カテゴリー1～7と同様） | |
| 11 | 上記カテゴリに入らない その他の電気・電子機器 |
2019/7/22 | 2019/7/22 | 2024/7/21 | |
●RoHS 指令基準（特定有害物質と基準値）
下記10 物質群の特定有害物質が規制対象です。数値は基準値(均質材料中の含有率ppm
鉛：1000ppm 以下
水銀：1000ppm 以下
カドミウム：100ppm 以下
六価クロム：1000ppm 以下
ポリ臭化ビフェニール類（ＰＢＢ類）：1000ppm 以下
ポリ臭化ジフェニルエーテル類（ＰＢＤＥ類）：1000ppm 以下
フタル酸ビス(2-エチルヘキシル）（ＤＥＨＰ）：1000ppm
フタル酸ジ－n－ブチル（ＤＢＰ）：1000ppm
ｎフタル酸－ブチルベンジルフタレート（ＢＢＰ）：1000ppm
ジイソブチル＝フタラート(フタル酸ジイソブチル)（ＤＩＢＰ）：1000ppm
※技術的に代替えが困難な用途/材料は、指令の中で適用除外材料（RoHS_AnnexⅢ,Ⅳ）として
記載され、継続使用が可能です。
|SMCのRoHS 指令対応
SMCのRoHS 指令対応
●SMCの対象製品は、主にカテゴリー９の工場用監視機器（適用開始：2017/7/22～、4 物質追加：2021/7/22～）に
該当します。
（一部カテゴリー８の医療関連製品もあります）
●弊社製品を使用した御客様製品が既に適用開始のカテゴリーに該当する場合は、弊社製品（電気・電子部品の使用の有無に関わらず）もRoHS 指令（基準）遵守を求められます。
弊社は、環境配慮、お客様御要求に対応するためRoHS 指令遵守品への切替を積極的に実施し、ご提供してきました。
グローバルな弊社製品在庫の中で、非RoHS 品との識別のため、ご要求のお客様には、識別して御提供しています。
※RoHS指令指定10物質基準（2015/863/EU）適合品をご提供可能なシリーズはカタログにRoHSまたはCE（併記あり）
表示していますが、グローバルな弊社製品在庫の中で、非RoHS 品との識別のため、発注時には担当営業にRoHS 適合品と必ずご指示願います。
●RoHS 指令遵守品の識別
1.RoHS 指令基準遵守製品
RoHS_6物質基準（鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB、PBDE）に適合している製品には“G”のマークがあります。
RoHS_10物質基準に適合している製品には“H”のマークがあります。
すでに上記“G”のマークであっても、10物質基準に準拠している製品もあります。
（発売当初より、10物質基準適合品）
1）銘版がある製品は、銘版の中のロット番号横に｢G、H｣のマークがあります。
2）梱包箱などのラベルに｢G、H｣のマークがあります。
RoHS対応完了製品のラベルの識別記号
RoHS対応完了製品のラベルに、G H を記入します。
RoHS対応製品の識別
小箱（製品・部品）
2）電気・電子部品の搭載製品：CEマークを付加しています。
|RoHS 指令遵守の証明
1）電気・電子部品の搭載製品：CEマークを付加し、自己宣言書にて証明しています。
2）電気・電子部品の非搭載製品：SMCの不使用保証書をご要求に応じて回答いたします。
担当営業、代理店にご要求をお願いいたします。
●適用除外用途 / 材料の使用
適切な代替手段がない場合などには、一定の範囲で適用が免除される材料があります。
（適用除外材料は随時変更/修正が行われています）
SMC製品の適用除外用途/ 材料【 】はRoHS_AnnexⅢ, Ⅳ記載番号（カテゴリー9としての番号）
- 【6(a)】：鋼材（快削鋼など）中の0.35wt% 以下の鉛の含有
- 【6(c)】：銅合金（真鍮、りん青銅等）中の4wt% 以下の鉛の含有
- 【6(b)】：アルミニウム材料中（アルミダイカストなど）の0.4wt% 以下の鉛の含有
- 【7(a)】：高融点はんだ中の鉛（85wt% を超える鉛を含む鉛合金）
- 【7(c)-Ⅰ】：ガラスまたはセラミック中、もしくはガラスまたはセラミックスマトリックス化合物中に鉛を含む、キャパシタ中の誘電セラミック以外の電気および電子コンポーネント中の鉛
- 【8(b)】：電気接点中のカドミウム
上記は、2021年9月時点での法規制に基づく弊社解釈を示します。
法的詳細内容、解釈などにつきましては、お客様にて再度ご確認いただけるようお願いいたします。
